家具に使われる加工木材(化粧合板・集成材・パーティクルボード・OBSなど)の違い解説
家具や建築に使われれる主な加工木材の特徴、無垢材との違いについて解説しています。天然木化粧合板やプリント合板、集成材、パーティクルボード、LVL、MDF、OSB、CLT材など、それぞれのメリット・デメリットについて紹介。安い家具には理由があります。家具を選ぶ際の材質チェックの参考にしてみてください。
監修:べるこ
おしゃれな家具やインテリア雑貨大好きな2児の母。家具メーカー10年勤務→フリーランスインテリアコーディネーター。色彩検定2級/キッチンスペシャリスト。無印良品愛用。二級建築士勉強中。
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住まいのインテリアコーディネートにおいて木製家具は欠かせない存在です。
木材が持つナチュラルな雰囲気はどんなインテリアスタイルにも馴染みが良く、室内のムードを盛り上げてくれますよね。
木が持つ魅力はインテリア性だけに留まらず、肌触りや香りなど、自然素材ならではの味わいも楽しめます。
しかし、木材には天然の素材をそのまま使った材料から、加工されて品質などを整えた材料まで幅広く扱われており、その特徴には個性があります。
普段何気なく目にしている住まいの内装材や家具に使われている加工木材にも、それぞれに優れた特性があり、用途に合わせて使い分けられています。
インテリアを選ぶ時には、機能性やデザイン性に加えて予算も考慮して検討する必要がある為、家具に使われている材料に注目する事で、理想のコーディネートが叶うかもしれません。
自分自身が必要とする家具の要素を見極めながら、家具に使われている加工木材の知識を深めてみましょう。
無垢材とは、簡単に言えば自然から採れる木をそのまま使う資材の事です。
天然の素材が持つ本来の魅力を生かせる無垢材は、住宅の構造材や内装材、家具の材料など幅広い用途で使用されています。
比較的高価とされる素材ですが、調湿作用や天然の造形美など、自然素材ならではの魅力を暮らしに取り入れる事で得られる効果は多くあります。
木材を原料に加工した、いわゆる木質材料と言われる素材は、木片などを接着して軸材や面材に仕上げられる加工品です。
木質材料には様々な種類があり、住宅や家具の材料として特徴を生かしながら幅広く活躍しています。
木質材料の魅力としては、木の膨張や収縮によって不具合が起こるなどの欠点を減らしたり、品質のバランスを整えるなど、無垢材にとってのデメリットを緩和させた材料である事が挙げられます。
その分、天然素材ならではの魅力が損なわれる部分もある為、それぞれが必要とする要素や用途によって上手く使い分ける事が大切です。
出典:https://i.pinimg.com
原木を薄くスライスし、乾燥させて接着剤で貼り合わせた板の事を合板と言います。
木の繊維方向が交互になる様に重ね合わせる事で強度が増し、耐久性に優れた素材になります。
また、ある程度乾燥させてから加工する為、無垢材と違って伸び縮みが少なく、割れや反りが起こりにくくなります。
丸太を剥く様にして作られた薄い素材を貼り合わせて仕上げられる合板は、様々なサイズに対応できるだけでなく低コストで作られる為、安く手に入れられます。
一言に合板と言っても様々な種類があり、用途や構成、樹種や使われている接着剤の性能によって分類されています。
中には、防炎、防虫などの処理が施された合板もあります。
その中でも家具の材料として活躍するのが化粧合板と呼ばれる表面を美しく仕上げた合板です。
化粧合板も2種類に分類され、木材をスライスした突板と呼ばれる薄い板を合板の表面に貼りつけて作られる天然木化粧合板と、木目などのデザインを紙に印刷して合板に貼りつけたり、合板に直接印刷したりして作られるプリント合板などが属する特殊加工化粧合板があります。
どちらも天然木のメリットを安価で取り入れられる材料として家具に採用されています。
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集成材とは、小さく切り出された木の板や角材を接着剤で接合した木材です。
乾燥させてから加工する為、反りやゆがみが少なく、品質が安定しています。
また、小さな木を貼り合わせて作られる集成材は材料が無駄なく使えるのでコストが抑えられ、比較的安価で手に入れられます。
用途によって2種類に分けられるのも集成材の特徴です。
安定性があり強度が高い構造用集成材は、住宅の柱や梁などの構造材として用いられます。
家具の材料や住宅の内装材として使われる造作用集成材は、主に美観を目的に加工され、テーブルの天板やカウンタートップなどに用いられます。
内装材として使われる化粧張り造作用集成材も美観を目的とした薄い化粧板を心材に貼り付けて仕上げられ、みぞ切りと呼ばれる加工等を施します。
貼り付ける化粧板の種類によっては、高価な銘木が持つ木目などの風合いを取り入れられる優れた木質材料です。
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MDFと呼ばれる中質繊維板または中密度繊維版(Medium Density Fiberboard)は、繊維状にほぐした木材を接着剤で板状に成形した木質ボードの一種です。
表面や小口部分も滑らかで加工性が良く、住宅設備の扉やカラーボックスなどの材料として使われています。
軽量な上に断熱性や遮音性にも優れている為、スピーカー用のキャビネットにも採用されています。
木材を小さくしてから作られるMDF材は、端材や廃材なども原料として利用できるエコな材料で、比較的安く手に入れられます。
水分や湿気に弱いというデメリットもあるので、結露やカビなどに気を付けて管理する必要があります。
MDFは木質ボードの中で特に小さな木片を使った材料ですが、さらに高密度なハードボードと呼ばれる硬質繊維版もあります。
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パーティクルボードとは、木材のチップに接着剤を混ぜ合わせ、加熱圧縮して作られる木質ボードの一種です。
OSBと比べると比較的小さな木片からできており、廃材などを再利用して加工される環境にも優しい材料です。
厚みや大きさなどのサイズが用途に合わせて自由に決まられるだけでなく、反りや割れなども少ない為、家具や内装材など様々な物に使われています。
遮音性や断熱性にも優れているので、建築資材としても重宝されます。
パーティクルボードは層の数と使われている木片のサイズによって3種類に分類されます。
同じサイズの木片が使われた高密度で強度が均一な単層、外側の層ほど小さいサイズの木片が使われ、異なるサイズの木片を使った層で構成された多層、両面にサイズの小さい木片、中央に大きいサイズの木片を使い3つの層で構成された3層があり、用途によって使い分けられています。
また、表面の状態、曲げに対する強度、ボードの形状と寸法、耐水性の有無などによっても細かく分類されており、活用方法の基準として参考にしながら材料を選ぶ事ができます。
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短冊状の木片を接着剤と共に高温圧縮した材料をOSB(Oriented Strand Board)と呼びます。
木片は向きを揃えて配置され、積層される層の向きを交差させるように重ねる為、強度が高くなります。
木材としての方向性が無い木質ボードの一種で、MDFやパーティクルボードに似た素材です。
パーティクボードよりも大きな木片を使用した素材は住宅用の下地材として使われていますが、ワイルドで特徴的な見た目を生かして内装材やDIYの材料としても重宝されています。
余った木などの木片を有効活用できるので環境にも優しく、幅広い用途に使用されます。
価格が安く手に入れやすい材料ですが、湿気に弱いというデメリットもあります。
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原料にひき板を使い、繊維方向が直交する様に重ねて貼り合わせたCLT(Cross Laminated Timber)は、パネルのような板状の材料です。
集成材と似ていますが、長さ方向だけではなく面材としての強度にも優れています。
軽くて強度もあるCLTを使った建物は揺れに強く燃えにくい為、耐震性と耐火性に優れています。
高層建築にも採用されている事から、コンクリートに変わる素材とまで言われています。
また、工場での製造や加工が可能な為、工期が短縮できるというメリットもあります。
木材の循環利用にも貢献するCLTはエコな素材としても注目されており、これからの普及が期待される材料です。
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木を薄くスライスした単板を繊維方向が平行になる様に積み重ねて接着した単板積層材をLVL(Laminated Veneer Lumber)と呼びます。
主に住宅の柱や梁など、構造材として使われます。
縦方向の強度が高いLVLは住まいの軸となる材料に適した素材で、しっかりと乾燥させてから作られる為、反りや割れなどの心配もありません。
また、柱のように長い材料や、用途に合わせた厚さなど、様々なサイズに対応できます。
防腐剤や防虫剤などの浸透性が良く、薬剤処理が容易に行えることもメリットの一つです。
JWOODと呼ばれる構造用LVLも存在し、専用の金物と組み合わせて使えば耐震性に優れた住宅が実現するだけでなく、環境にも優しい工法です。
木製家具にはもちろん木材が使われている訳ですが、どのような材料が使われているかによって特徴や価格が変わってきます。
住まいのインテリアを考えていく上で欠かせない木製家具に採用されている材料の種類を知る事は、コーディネートの幅を広げ、より良い暮らしに繋がる大切なポイントになります。
材料の特徴を把握しておけば家具選びもスムーズに進むでしょう。
家具に使われる材料の中で最も木の風合いやナチュラルな質感が感じられるのが、無垢材を使ったアイテムです。
木目や節など、天然素材ならではの造形美をデザインとして楽しみながら、経年変化による色味や艶の移り変わりも味わう事ができる魅力的な素材です。
比較的高価な素材にはなりますが、上質な雰囲気が漂う高級感があり、傷などの補修もしやすい為、長く愛用できる家具が出来上がります。
住まいの中でも過ごす時間が長いリビングやダイニングのインテリアとして取り入れてみて下さい。
無垢集成材と表記される事もある集成材を使った家具は、ローコストで無垢材に近い素材感が味わえる上に反りや曲りなどの不具合も少なく、強度や品質が安定した魅力的なアイテムです。
木の板や角材を貼り合わせて作るという特徴を生かして、異なる素材感の木を組み合わせた個性的なデザインを家具に取り入れる事もできます。
天然木をシート状に薄くスライスした突板も家具の材料として良く目にする素材です。
突板だけで家具を仕上げるのでは無く、合板やMDFの表面に張り付けて使われます。
突板の魅力的なポイントは、天然木の木目や風合いを手軽に楽しめる事にあります。
高価な天然木も表面だけに使えば、価格を抑えながら木の質感やインテリア性が味わえます。
土台となる合板などは反りや曲がりの心配が少なく強度もある為、安心して使用できます。
ただし、傷などの修復は困難なので気を付けて取り扱いましょう。
合板の表面に木目などのデザインを印刷して加工したプリント合板も家具の材料として使われます。
合板に直接印刷したり、印刷した紙を貼ったりして仕上げられたプリント合板はデザインの自由度が高く、低価格で木目調の家具が手に入れられます。
もちろん、印刷した模様なので無垢材に比べると質感は劣りますが、あくまで木目調のアイテムとしてインテリアに取り入れられます。
変形や割れなどの不具合も起こりにくく、表面を保護する塗装が施されている為、お手入れも簡単に行えます。
他にも、合板を型に入れて美しい曲線を表現する成形合板や、水分が多い木材に熱を加えてしなやかな曲線を表現する曲げ木など、デザイナーズチェアや名作と呼ばれるチェアに使われたデザイン性の高い材料もあります。
また、木製の家具選びにおいて、無垢材を使っているのか加工木材が使われているのかを見分けるポイントとして木目の流れ方に注目してみるのもおすすめです。
例えば、ダイニングテーブルの側面に当たる小口部分を見てみると、木目の流れが天板部分と繋がっている場合と、繋がっていない場合があります。
木目の流れが自然なら無垢材、木目の方向に変化があれば加工木材が使われていると考えられます。
どちらの素材が良いかは人それぞれ違いますが、選ぶ基準の一つにしてみるのも良いでしょう。
家具に使われている加工木材には様々な種類があります。
無垢材だけが持つ、天然の素材ならではのメリットが魅力的なのはもちろんですが、無垢材のデメリットを解消したり、加工木材ならではの特性を持たせるなど、加工する事で得られる魅了的なポイントも木材を使ったインテリアを楽しむ為に必要な要素と言えます。
それぞれが持つ理想の家具や、インテリアに充てられる予算が異なる中で、加工木材を使った家具の存在はインテリアコーディネートの幅を広げてくれるでしょう。
毎日使う家具にどんな材料が使われ、どんなメリットやデメリットがあるのかを知る事でインテリアへの愛着が生まれるかもしれません。
家具に使われている加工木材の知識を高めて、家具選びの参考にしてみて下さいね。
木材が持つナチュラルな雰囲気はどんなインテリアスタイルにも馴染みが良く、室内のムードを盛り上げてくれますよね。
木が持つ魅力はインテリア性だけに留まらず、肌触りや香りなど、自然素材ならではの味わいも楽しめます。
しかし、木材には天然の素材をそのまま使った材料から、加工されて品質などを整えた材料まで幅広く扱われており、その特徴には個性があります。
普段何気なく目にしている住まいの内装材や家具に使われている加工木材にも、それぞれに優れた特性があり、用途に合わせて使い分けられています。
インテリアを選ぶ時には、機能性やデザイン性に加えて予算も考慮して検討する必要がある為、家具に使われている材料に注目する事で、理想のコーディネートが叶うかもしれません。
自分自身が必要とする家具の要素を見極めながら、家具に使われている加工木材の知識を深めてみましょう。
無垢材と加工木材の違い
無垢材とは、簡単に言えば自然から採れる木をそのまま使う資材の事です。
天然の素材が持つ本来の魅力を生かせる無垢材は、住宅の構造材や内装材、家具の材料など幅広い用途で使用されています。
比較的高価とされる素材ですが、調湿作用や天然の造形美など、自然素材ならではの魅力を暮らしに取り入れる事で得られる効果は多くあります。
木材を原料に加工した、いわゆる木質材料と言われる素材は、木片などを接着して軸材や面材に仕上げられる加工品です。
木質材料には様々な種類があり、住宅や家具の材料として特徴を生かしながら幅広く活躍しています。
木質材料の魅力としては、木の膨張や収縮によって不具合が起こるなどの欠点を減らしたり、品質のバランスを整えるなど、無垢材にとってのデメリットを緩和させた材料である事が挙げられます。
その分、天然素材ならではの魅力が損なわれる部分もある為、それぞれが必要とする要素や用途によって上手く使い分ける事が大切です。
家具によく使われる主な加工木材
合板(化粧合板)
出典:https://i.pinimg.com
原木を薄くスライスし、乾燥させて接着剤で貼り合わせた板の事を合板と言います。
木の繊維方向が交互になる様に重ね合わせる事で強度が増し、耐久性に優れた素材になります。
また、ある程度乾燥させてから加工する為、無垢材と違って伸び縮みが少なく、割れや反りが起こりにくくなります。
丸太を剥く様にして作られた薄い素材を貼り合わせて仕上げられる合板は、様々なサイズに対応できるだけでなく低コストで作られる為、安く手に入れられます。
一言に合板と言っても様々な種類があり、用途や構成、樹種や使われている接着剤の性能によって分類されています。
中には、防炎、防虫などの処理が施された合板もあります。
その中でも家具の材料として活躍するのが化粧合板と呼ばれる表面を美しく仕上げた合板です。
化粧合板も2種類に分類され、木材をスライスした突板と呼ばれる薄い板を合板の表面に貼りつけて作られる天然木化粧合板と、木目などのデザインを紙に印刷して合板に貼りつけたり、合板に直接印刷したりして作られるプリント合板などが属する特殊加工化粧合板があります。
どちらも天然木のメリットを安価で取り入れられる材料として家具に採用されています。
集成材
出典:https://i.pinimg.com
集成材とは、小さく切り出された木の板や角材を接着剤で接合した木材です。
乾燥させてから加工する為、反りやゆがみが少なく、品質が安定しています。
また、小さな木を貼り合わせて作られる集成材は材料が無駄なく使えるのでコストが抑えられ、比較的安価で手に入れられます。
用途によって2種類に分けられるのも集成材の特徴です。
安定性があり強度が高い構造用集成材は、住宅の柱や梁などの構造材として用いられます。
家具の材料や住宅の内装材として使われる造作用集成材は、主に美観を目的に加工され、テーブルの天板やカウンタートップなどに用いられます。
内装材として使われる化粧張り造作用集成材も美観を目的とした薄い化粧板を心材に貼り付けて仕上げられ、みぞ切りと呼ばれる加工等を施します。
貼り付ける化粧板の種類によっては、高価な銘木が持つ木目などの風合いを取り入れられる優れた木質材料です。
MDF(中質繊維板・中密度繊維版)
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MDFと呼ばれる中質繊維板または中密度繊維版(Medium Density Fiberboard)は、繊維状にほぐした木材を接着剤で板状に成形した木質ボードの一種です。
表面や小口部分も滑らかで加工性が良く、住宅設備の扉やカラーボックスなどの材料として使われています。
軽量な上に断熱性や遮音性にも優れている為、スピーカー用のキャビネットにも採用されています。
木材を小さくしてから作られるMDF材は、端材や廃材なども原料として利用できるエコな材料で、比較的安く手に入れられます。
水分や湿気に弱いというデメリットもあるので、結露やカビなどに気を付けて管理する必要があります。
MDFは木質ボードの中で特に小さな木片を使った材料ですが、さらに高密度なハードボードと呼ばれる硬質繊維版もあります。
パーティクルボード
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パーティクルボードとは、木材のチップに接着剤を混ぜ合わせ、加熱圧縮して作られる木質ボードの一種です。
OSBと比べると比較的小さな木片からできており、廃材などを再利用して加工される環境にも優しい材料です。
厚みや大きさなどのサイズが用途に合わせて自由に決まられるだけでなく、反りや割れなども少ない為、家具や内装材など様々な物に使われています。
遮音性や断熱性にも優れているので、建築資材としても重宝されます。
パーティクルボードは層の数と使われている木片のサイズによって3種類に分類されます。
同じサイズの木片が使われた高密度で強度が均一な単層、外側の層ほど小さいサイズの木片が使われ、異なるサイズの木片を使った層で構成された多層、両面にサイズの小さい木片、中央に大きいサイズの木片を使い3つの層で構成された3層があり、用途によって使い分けられています。
また、表面の状態、曲げに対する強度、ボードの形状と寸法、耐水性の有無などによっても細かく分類されており、活用方法の基準として参考にしながら材料を選ぶ事ができます。
OSB
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短冊状の木片を接着剤と共に高温圧縮した材料をOSB(Oriented Strand Board)と呼びます。
木片は向きを揃えて配置され、積層される層の向きを交差させるように重ねる為、強度が高くなります。
木材としての方向性が無い木質ボードの一種で、MDFやパーティクルボードに似た素材です。
パーティクボードよりも大きな木片を使用した素材は住宅用の下地材として使われていますが、ワイルドで特徴的な見た目を生かして内装材やDIYの材料としても重宝されています。
余った木などの木片を有効活用できるので環境にも優しく、幅広い用途に使用されます。
価格が安く手に入れやすい材料ですが、湿気に弱いというデメリットもあります。
CLT
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原料にひき板を使い、繊維方向が直交する様に重ねて貼り合わせたCLT(Cross Laminated Timber)は、パネルのような板状の材料です。
集成材と似ていますが、長さ方向だけではなく面材としての強度にも優れています。
軽くて強度もあるCLTを使った建物は揺れに強く燃えにくい為、耐震性と耐火性に優れています。
高層建築にも採用されている事から、コンクリートに変わる素材とまで言われています。
また、工場での製造や加工が可能な為、工期が短縮できるというメリットもあります。
木材の循環利用にも貢献するCLTはエコな素材としても注目されており、これからの普及が期待される材料です。
LVL(単板積層材)
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木を薄くスライスした単板を繊維方向が平行になる様に積み重ねて接着した単板積層材をLVL(Laminated Veneer Lumber)と呼びます。
主に住宅の柱や梁など、構造材として使われます。
縦方向の強度が高いLVLは住まいの軸となる材料に適した素材で、しっかりと乾燥させてから作られる為、反りや割れなどの心配もありません。
また、柱のように長い材料や、用途に合わせた厚さなど、様々なサイズに対応できます。
防腐剤や防虫剤などの浸透性が良く、薬剤処理が容易に行えることもメリットの一つです。
JWOODと呼ばれる構造用LVLも存在し、専用の金物と組み合わせて使えば耐震性に優れた住宅が実現するだけでなく、環境にも優しい工法です。
ワンポイントアドバイス
木製家具にはもちろん木材が使われている訳ですが、どのような材料が使われているかによって特徴や価格が変わってきます。
住まいのインテリアを考えていく上で欠かせない木製家具に採用されている材料の種類を知る事は、コーディネートの幅を広げ、より良い暮らしに繋がる大切なポイントになります。
材料の特徴を把握しておけば家具選びもスムーズに進むでしょう。
家具に使われる材料の中で最も木の風合いやナチュラルな質感が感じられるのが、無垢材を使ったアイテムです。
木目や節など、天然素材ならではの造形美をデザインとして楽しみながら、経年変化による色味や艶の移り変わりも味わう事ができる魅力的な素材です。
比較的高価な素材にはなりますが、上質な雰囲気が漂う高級感があり、傷などの補修もしやすい為、長く愛用できる家具が出来上がります。
住まいの中でも過ごす時間が長いリビングやダイニングのインテリアとして取り入れてみて下さい。
無垢集成材と表記される事もある集成材を使った家具は、ローコストで無垢材に近い素材感が味わえる上に反りや曲りなどの不具合も少なく、強度や品質が安定した魅力的なアイテムです。
木の板や角材を貼り合わせて作るという特徴を生かして、異なる素材感の木を組み合わせた個性的なデザインを家具に取り入れる事もできます。
天然木をシート状に薄くスライスした突板も家具の材料として良く目にする素材です。
突板だけで家具を仕上げるのでは無く、合板やMDFの表面に張り付けて使われます。
突板の魅力的なポイントは、天然木の木目や風合いを手軽に楽しめる事にあります。
高価な天然木も表面だけに使えば、価格を抑えながら木の質感やインテリア性が味わえます。
土台となる合板などは反りや曲がりの心配が少なく強度もある為、安心して使用できます。
ただし、傷などの修復は困難なので気を付けて取り扱いましょう。
合板の表面に木目などのデザインを印刷して加工したプリント合板も家具の材料として使われます。
合板に直接印刷したり、印刷した紙を貼ったりして仕上げられたプリント合板はデザインの自由度が高く、低価格で木目調の家具が手に入れられます。
もちろん、印刷した模様なので無垢材に比べると質感は劣りますが、あくまで木目調のアイテムとしてインテリアに取り入れられます。
変形や割れなどの不具合も起こりにくく、表面を保護する塗装が施されている為、お手入れも簡単に行えます。
他にも、合板を型に入れて美しい曲線を表現する成形合板や、水分が多い木材に熱を加えてしなやかな曲線を表現する曲げ木など、デザイナーズチェアや名作と呼ばれるチェアに使われたデザイン性の高い材料もあります。
また、木製の家具選びにおいて、無垢材を使っているのか加工木材が使われているのかを見分けるポイントとして木目の流れ方に注目してみるのもおすすめです。
例えば、ダイニングテーブルの側面に当たる小口部分を見てみると、木目の流れが天板部分と繋がっている場合と、繋がっていない場合があります。
木目の流れが自然なら無垢材、木目の方向に変化があれば加工木材が使われていると考えられます。
どちらの素材が良いかは人それぞれ違いますが、選ぶ基準の一つにしてみるのも良いでしょう。
家具に使われている加工木材には様々な種類があります。
無垢材だけが持つ、天然の素材ならではのメリットが魅力的なのはもちろんですが、無垢材のデメリットを解消したり、加工木材ならではの特性を持たせるなど、加工する事で得られる魅了的なポイントも木材を使ったインテリアを楽しむ為に必要な要素と言えます。
それぞれが持つ理想の家具や、インテリアに充てられる予算が異なる中で、加工木材を使った家具の存在はインテリアコーディネートの幅を広げてくれるでしょう。
毎日使う家具にどんな材料が使われ、どんなメリットやデメリットがあるのかを知る事でインテリアへの愛着が生まれるかもしれません。
家具に使われている加工木材の知識を高めて、家具選びの参考にしてみて下さいね。
更新日:2023-05-19
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